ひとくちに「単語を覚える」といっても、覚えることは4つある。
単語の「意味」と「使い方」、それに「綴り」と「発音」だ。
これを分けずにごちゃまぜにして「単語を覚えなきゃ!」と焦ってみても良い策は見つからない。
この文章(連載)がどこに向かうのか、結論を先に言ってしまうと単語の「意味」(と「発音」)を覚えるには『百式英単語』を使おう、単語の「使い方」(と「綴り」)を覚えるには語法・熟語の本、そして英作の本をやろう、である。
§理解語彙と使用(表現)語彙を区別しよう。ゴールも覚え方も違う。
理解語彙とは、見聞きしたときに「意味が分かる」言葉
使用語彙とは、書くときや話すときに自分で「使える」言葉
理解語彙の「量」は長文で重要になり、
使用語彙の「質」は英作文と(採点が面倒な英作文の代替形式である)語法問題で重要になる。
中学受験の国語の入試問題に「減衰」「包含」「示唆」という言葉があった。文脈もあるので、中学受験の訓練を積んだ小学生にとって、これらの言葉は読めばなんとか「意味が分かる」単語だ。しかし自分では使えない言葉だろう。
ここで重要なのは、
(1) 必ず「使用語彙」よりも「理解語彙」の方が多いということと、
(2)「理解語彙」はかなりハイレベルな語彙まで含まれるのに対して「使用語彙」はそのひとにとって基本的な(使いこなせる)単語に限られるということだ。
理解語彙の対策は「ハイレベルな単語も含めた、たくさんの単語」の「意味」を覚えることであり、使用語彙の対策は「少数の基本的な単語」の「使い方」を覚えることである。
目的が違うのだから当然対策も使う参考書も違ってくる。次回はその「対策」について話していこう。
英単語最速攻略のストラテジー(おすすめの覚え方)1
理解語彙は「浅く広く」、使用語彙は「狭く深く」覚える。
深く掘り下げたいのか、広く耕したいのか、目的が違うのだから使う道具(参考書)も当然違う。
掘るにはシャベルが良いし、耕すには鍬(くわ)が良い。